石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

銀月の育て方【夏越し編】

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暑さに弱く、夏越しが難しいといわれているセネシオ属の銀月。

辛うじて夏越しさせる事ができました。

失敗もありましたが、それも含めて、育成法をまとめておこうと思います。

一般的に言われている夏越しの方法とはかけ離れている部分もあり、これが最適というわけではありません。

ひとつの例として参考にしていただければ幸いです。

 

【置き場所】

置き場所は、風通しが良く、雨の当たらない屋外が良いです。

雨に当てない理由は、水分管理が難しくなるからです。

また、雨にあたると白い葉が煤けて汚れてしまうため、美観を損なわない為にも雨は避けた方がいいです。

 

【水やりの頻度】

セネシオ属は水切れに弱いため、断水せず、適度に水を与えたほうがいいです。

土が乾いたら水を与えます。

だいたい7日~10日に1度程度です。

ただし、銀月は蒸れに弱いので、蒸れ対策が必要になります。

 

【水やりの仕方】

水やりは高温になる昼間は避けて、日が沈んでから与えます。

与える水の量は、土全体が軽く湿る程度の量にします。

与える水は、できれば気温より10℃くらい低い冷水がいいです。

水挿しに氷を1つか2つ入れればOKです。

冷水にする理由は、根腐れ対策です。

昼の間に温まった鉢に少量の水を与えると、地熱を奪って水温が上がってしまいます。

温度上昇分を考えて、冷やしておくというわけです。

 

【蒸れ対策】

土が湿っている状態で、鉢の温度が上がらないよう徹底します。

水は、比熱が大きく、熱伝導率が高い物質です。

比熱と熱伝導率について語ると長くなるので省きますが、要は、水は温まりやすく、大量の熱エネルギーを溜め込むということです。

土が湿っている状態で鉢の温度が上がると、その特性から土全体が高温になり、根に深刻なダメージを与えます。

これがいわゆる「蒸れ」の正体の一つだと思っています。

葉が蒸れるのではなく、根が蒸れるのです。

その為、断水しない場合には鉢の温度対策が必要になります。

対策の一例として、下記の方法が考えられます。

・二重鉢にする

・鉢にアルミホイルを巻く

・鉢の側面に日が当たらないような配置にする

・白い石や白い化粧砂を敷く

・水やり後はエアコン付きの室内に取り込む

 

【遮光】

遮光はしない方がいいです。

銀月はフェルトのような白い毛で葉を覆い、自ら遮光しているので、遮光せずに日に2~3時間は日光に当てた方がいいです。

葉を覆っているフェルトはかなり分厚く、それだけで75%以上の遮光効果がありそうです。

その上で、さらに遮光してしまうと、完全に光量不足となってしまいます。

実際、50%~75%程度の遮光をして育てたところ、葉が萎れてしまいました。

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上の写真は、状態確認の為にフェルトを剥がしたところです。

光量不足で葉の緑色が濃くなってしまっています。

この後、直射日光の当たる環境に移動させたところ、症状は改善しました。

 

【その他・注意点】

銀月は、全身が白いフェルトで包み込まれているので、葉や茎の色を確認する事ができません。

その為、状態悪化に気付きにくく、気づいた時には手遅れという事になりかねません。

こまめに様子を見て、何かおかしいと感じたら早めに対処してあげるのが良いと思います。