石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

松露玉の実生③:追加の撒種と発芽率

世界一小さなサボテン、松露玉の実生の経過です。

 

↓前回の記事はこちら

松露玉の実生①:種まき・発芽

松露玉の実生②:痛恨のミスと新たな発芽

 

前回、メノウというツルツルの石の上で発芽させてしまった松露玉を、なんとか育てられないかと試行錯誤しました。

根の切れている1mm以下のサボテンの幼苗を、メノウの上で育てようなんて無茶な話です。

無茶な話なんですが・・・

 

発芽後:30日目

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なんと、1ヶ月経っても生きてます。

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しかも元気そうです。

 

松露玉には、水分の蒸発を防ぐクチクラ層という表皮組織がありません。

乾燥地帯において、小さな体で水分を保持していくのは至難の業なので、保持する事を放棄してしまったのですね。

水分を保持できない代わりに、表皮から直接水分を吸収する事ができます。

そんな特殊な松露玉だからこそ、こんなメノウの窪みでも育ってくれているのだと思います。

 

ちなみに、自生地ではこんな姿をしているそうです。

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出典:Wikimedia Commons

 

 追加の撒種

亀甲牡丹の種子を買った際に、松露玉の種子も売っていたので、一緒に買ってしまいました。

試行錯誤の末にメノウの上で育っている松露玉を見て、これはもう最初からメノウの上に蒔くしかないと思ったのです。

石と多肉植物のコラボレーションを主題とする当ブログにおいて、これほどふさわしい実生法があるでしょうか。

能書きはともかく、メノウの上にたくさん蒔いてみたかったのです、はい。

種子は20粒を注文したところ、9粒も多い29粒を送っていただきました。ありがたい事です。

 

29粒の種のうち、4つを既に発芽している松露玉の周りに、残りを新しく用意したメノウアレンジ鉢に蒔きました。

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容器といい、用土といい、非常識の極みです。

常識的な実生は、常識的な方にお任せします。

 

種まき後:10日目

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1つ発芽しているのを確認しました。

前回とは比較にならないほどスムーズな発芽です。

やはり、発芽するかどうかは種子の質によるところが大きいと感じました。

 

種まき後:16日目

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29粒中、24粒も発芽しました。

発芽率は83%です。

前回は4%(2/50)だったので、驚きの発芽率です。

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メノウの窪みで発芽した松露玉は、何の違和感もなく、しっくりと隙間に収まっています。

おそらく、これが自然に近い姿なのではないでしょうか。