石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

3年間、穴の無い鉢で多肉植物を育てた結果

鉢植えで植物を育てる時は、穴の空いている鉢を使うというのは常識です。

穴の無い鉢で育てるというのは、園芸家さんの中には怒る人もいるほど非常識な行為のようです。

私にはこの常識がありませんでした。

なにせ、植物を育てるのは小学校のアサガオ実習以来、うん十年ぶりの事でしたから。

穴の無いプラスチックケースに植え付けてからこの事を知り、なぜ穴が必要なのかを調べました。

穴がある事の利点はよく分かりました。

しかし、穴が無いとダメな理由に納得のいくものはありませんでした。

「師の教えでも科学的根拠の無い事は信じない」という厄介な性格もあって、穴の無い鉢のまま育ててみる事にしました。

 

早いもので、多肉植物を育て始めてから3年の月日が経ちました。

気付けば鉢の数も随分増えました。

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逆光で見にくいですね。

下から見ると・・・

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ハイ、全部穴がありません。

穴が無くても、元気に育っています。

 

最長で3年間、穴の無い鉢で育て続けた古参の多肉植物の昔と今を比べてみます。 

乙女心

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2018年12月5日

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2021年5月3日

乙女心は、初めて買った多肉植物です。

購入したのは2018年の5月です。

1株だけの小さなプラグ苗でした。

ブログを始めるとは考えもしなかったので、購入直後の写真は残っていません。

最初の写真は買ってから7ヶ月後の姿です。

猛暑で瀕死に陥らせてしまい、葉っぱが4枚まで減りましたが、なんとか持ちこたえてくれました。

葉焼け、根腐れ、挿し木、葉挿し等、身をもって多肉植物の育成について学ばせてくれた師匠のような株です。

数々のトラブルを乗り越えて、現在も健在です。

積極的に増やす事はしていませんが、自然と株数も増えて賑やかになりました。

 

銀月

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2018年12月5日

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2021年5月3日

難物と言われる銀月です。

多肉植物の本を見てどうしても欲しくなり、唯一ネットショップで通販購入した多肉植物です。

購入は2018年11月末です。

注文して数日後、1株だけの小さな苗が届きました。

銀月はたくさん増やしたかったので、積極的に株分けや切り戻しを行いました。

およそ2年半で、銀月の林が出来上がりました。

 

斑入りグリーンネックレス

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2019年3月31日

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2021年5月3日

育てている中では最高難度の斑入りグリーンネックレスです。

購入は2019年の春です。

なんとか斑を維持したまま3年目に突入です。

先祖返りした斑無しの部分は、別の鉢に挿し木して、写真の倍くらいの量に増えています。

 

今では、グリーンネックレスは「水を多めに与える」というのが定石になりつつありますが、購入した当時は「乾燥させて育てる」というのが主流で、好みの環境を見つけるのに苦労しました。

 

硬葉系ハオルチア

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2018年12月5日

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2021年5月3日

硬葉系ハオルチアの”松の雪”です。

購入は2018年の秋です。

硬葉系ハオルチアは丈夫なので、穴の無い鉢での栽培も簡単だと思います。

増やすつもりは無かったのですが、伸びた分を切り戻ししているうちに増えてしまいました。

人気があまり無いので、増えても嫁の貰い手がないのが難点でしょうか。

 

軟葉系ハオルチア

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2018年12月5日

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2021年5月3日

軟葉系ハオルチアの”オブツーサ・トゥルンカータ”です。

購入は2018年の秋です。

軟葉系ハオルチアも問題なく育っています。

子吹きして勝手に増えていきます。

嫁に出そうかと考え始めた頃に青光りしだしたので、手放せなくなってしまいました。

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穴の無い鉢で育てて枯らしてしまった多肉植物は、3年間で1つだけです。(挿し木や実生の失敗は除いて)

茎をムシに食われたルノーディーンです。

 水多めで、茎が柔らかくなったところを食い破られたのだと思います。

ムシ許すまじ・・・

根腐れしたわけではないので、枯れた原因に底穴の有無は関係なかったと考えています。

 

そんなわけで、穴の無い鉢でも多肉植物は育てる事ができます。

ただし、管理が難しいので、たくさん育てたい場合には向きません。

お気に入りの器でいくつかの多肉植物だけ育てたいという場合には、穴の無い鉢での栽培に挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。