石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

クラッスラの種子の採り方

クラッスラのアウセンシス・チタノプシスの種子が採れました。

大きさは0.5mm以下。

小さいを通り越して粉です、粉。

この1つ1つが立派な多肉になるのですから、不思議なものです。

 

親株はこちらです。

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チタノプシスのような姿をした小さなクラッスラです。

種を蒔いてから1年でこのサイズに成長し、花を咲かせてくれました。

 

クラッスラの交配・採種の仕方については、検索しても1つもヒットしませんでした。

調べても分からなかったので、試行錯誤しながらの独自の方法になりますが、種子が採れるまでの経緯を書き残しておきます。

 

こちらがアウセンシス・チタノプシスの花です。

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クラッスラの花はどれも似ていて、小さな花をたくさん咲かせます。

花が咲いている期間が長いのも特徴で、1ヶ月近く咲き続けます。

そして、あまり良い匂いがしません。ぶっちゃけ、クサいです。

虫媒花のようで、ハナアブがよく寄ってきます。

 

人工的に受粉させる時は、爪楊枝を使うと便利です。

まず、カッターナイフ等で楊枝の先を細くします。

 

楊枝の先をオシベに付けます。

先端に花粉が付いているのが分かります。

 

花の中央に楊枝を差し込み、メシベに花粉を付けます。

これで受粉完了です。

クラッスラは、自家受粉するタイプとしないタイプがあるようです。

アウセンシス・チタノプシスは自家受粉しないタイプのようなので、別株の花同士で受粉させます。

花から花へと受粉作業を繰り返していると、ハナアブになった気分が味わえます。

 

クラッスラの花は、受粉させてもいつまでも咲き続けます。

1ヶ月くらい経って、ようやく花が枯れてきます。

花が枯れても種子はすぐには収穫できません。

さらに1ヶ月くらい経つと、花の中央が割れてきます。

この状態になって、ようやく種子が収穫できます。

開花が3月10日で、収穫したのが5月15日でしたので、開花から2ヶ月以上経って種子が採れたことになります。

 

割れた花をマクロ撮影で拡大してみると、種が1粒ずつこぼれるように小さな穴が空いているのがわかります。

種が一ヶ所に固まって落ちない為の、見事な工夫です。

 

割れた花を摘んで、茶こしの中でバラします。

小さな種子は茶こしをすり抜けるので、種子を分離する事ができます。