石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

全多肉一斉検診

育てている全多肉植物の一斉検診を行いました。

多肉植物は、毎日眺める事で調子の悪い株を早期発見する事ができます。

しかし、小さな変化を見落としてしまったり、目視だけでは発見しにくい異常が出ている事もあります。

そうした異常を見逃さない為に、定期的に一斉検診をする事にしました。

 

検診では以下4点を確認しています。

①株元を確認して、ネジラミ被害や腐る兆候が無いか確認

②株にぐらつきが無いか確認

③ルーペでダニ等の害虫がいないか確認

④透明の鉢に植えているものは根の状態を確認

 

この一斉検診、やってみると健康だと思っていた株からも異常が見つかります。

特に③のルーペ確認でアカダニ、ハダニが見つかる事が多いです。

例えば、こちらの鉢。

プセウドリトスとスーパー兜の実生小苗ですが、この中から1株だけハダニ被害が見つかりました。

どれかわかるでしょうか。

 

正解は矢印の株です。

健康的な緑色でツヤツヤしていますし、肉眼による目視だけなら見逃してしまうところでした。

ルーペで拡大してみると・・・

憎きハダニの野郎がたかっていました。

この大きさの株だと、症状が目視で確認できる頃には手遅れになっている可能性もありました。

早期発見できて良かったです。

治療は、筆に薬剤(ダニ太郎)を浸して、ダニをこそぎ落とすように塗り付けました。

ピンポイントで退治したいときは、薬剤をスプレー散布するも効果的です。

 

ダニ退治完了です。

 

今回、一番深刻な被害が出ていたのは、ハオルチアの万象でした。

この株です。

よくよく見ればボディにダニ症状の擦れが見えますが、日焼けで色褪せているだけかと思っていました。

ルーペで拡大してみると・・・

アカダニだらけ!

ボディにも大量にアカダニがたかっていました。

アカダニはハダニより小さく、糸も出さないので、肉眼での発見が困難です。

しかも薬剤が効きにくいという厄介者。

スプレーによる薬剤散布では全滅させる事は難しいので、こちらも薬剤に浸した筆で丁寧にこそぎ落としました。

綺麗に一掃できました。

 

秋に白絹病が発生したコノフィツムの様子も確認。

 

白絹病が再発している様子はなく、完治できたようです。

根も伸びてきていますし、問題無さそうです。

 

今回の一斉検診で発見できた被害がこちら。(番号は異常のあった検査項目)

ハオルチア・万象 ③アカダニ・深刻

ハオルチア・玉扇錦 ③アカダニ・軽微

ハオルチア・スカブラ ②ぐらつき・軽微 ー 経過観察

ハオルチア・雪景色・葉挿し小苗 ③アカダニ・中被害

エケベリア・ビフィダ ③ハダニ・軽微

ピレアグロボーサ ①根元が腐りかけている株在り ー カットして挿し木

サボテン・アブディタ・実生小苗 ③アカダニ・深刻

サボテン・麗蛇丸 ③ハダニ・軽微

サボテン・スーパー兜・実生小苗 ③ハダニ・軽微

サボテン・姫牡丹・実生小苗 ③アカダニ・深刻

サボテン・マクドガリー ③アカダニ・軽微

 

問題無しと思っていた株からも、かなりの数のダニ被害が見つかりました。

特にハオルチアとサボテンの被害が多かったです。

実生の小苗の被害も多く、もう少しで枯死させてしまうところでした。

今までにも原因不明の脱落の中に、ダニによる被害があったのだろうと思います。

 

一見健康そうに見える多肉であっても、時々ルーペによる診察をしてみる事をお勧めします。

ルーペは10倍くらいのメタルルーペが使いやすいです。

倍率が高い方が良いと考えがちですが、倍率が高いほど視野が狭くなり、暗くなり、画像も歪むので、多肉チェックに使うなら10倍くらいまでが実用範囲です。