石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

メセンブリアントイデスの交配の仕方

ブルビネ・メセンブリアントイデスの種子が採れました。

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1~2mmくらいの小さな種子です。

種を作ったのは、昨年の春に種を蒔いて育てた株です。

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種から育てた植物から種が採れると、なかなか感慨深いものがあります。

 

受粉から種子を収穫するまでの過程を書き残しておきます。

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こちらがメセンブリアントイデスの花です。

花は早朝に開いて、1日でしぼんでしまいます。

匂いは無く、蜜も無いようです。

花粉の量が多く、振動を与えると飛散するので、おそらく風媒花だと思います。

オシベには長いヒゲがたくさん付いていて、ヒラヒラしています。

このヒラヒラに風を当たるとオシベが振動し、花粉を飛散させる仕組みなのではないかと思います。

風媒花だとすると、風通しの良い場所にまとめて置いておけば、勝手に受粉するものと思われます。

 

(5/15追記)

観察してみるとハナバチ・ミツバチの飛来数が多く、花粉を運んでいるように見える為、虫媒花と訂正させていただきます。

 

しかし、確実に受粉させたいのであれば、人工的に受粉をさせるのが一番です。

受粉のさせ方は、オシベを取ってメシベに付けるだけです。

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ヒラヒラが付いているのがオシベ、中央に1本だけ長く伸びているのがメシベです。

自家受粉はしないようなので、別株の花のオシベとメシベで交配させます。

 

まず、オシベをピンセットで抜きます。

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ヒラヒラが独特で綺麗です。

この時注意するのが、葯(やく)の弾けていないオシベを選ばない事です。

葯とは、オシベの先端にある花粉の詰まっているカプセルの事です。

咲いたばかりの花は、葯が弾けていない事があり、このオシベをメシベに付けても受粉させる事ができません。

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青い矢印が葯の弾けていないオシベです。

先端が大きく、ツルンとしています。

 

抜いたオシベの先端を、別株のメシベの先端に付けて受粉させます。

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これで受粉完了です。

 

受粉が成功すると、7~10日ほどで花の付け根の子房が膨らんできます。

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失敗した花はポロっと落ちてしまいます。

 

30~40日ほどで、種子ができます。

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花に繋がる枝が茶色く変色したら、収穫間近です。

種が熟して水分や養分が必要なくなると、枯れて変色する物と思われます。

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先端まで茶色くなったら収穫できます。

待ちすぎると割れて種がこぼれてしまいます。

心配であれば、マスキングテープ等でこぼれないよう保護しておくと良いかもしれません。

1つの花から、1~20個くらいの種子を収穫する事ができます。

今まで収穫したところでは、平均で6個くらい、最大23個の種子が収穫できました。