石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

セロペギア・シモネアエの受粉の仕組み(推論)

セロペギア・シモネアエ・ノヴァの2輪目の花が咲きました。

何度見てもヘンテコな花ですね。

 

3輪目もスタンバイ。

開花前は先端のヒモがねじれていてドリルのようになっています。

 

最初の花が咲いたときに観察・分解して受粉の仕組みを調べてみたのですが、媒介者の特定、花粉塊の採取はできたものの、めしべの位置がわからず、受粉させるに至りませんでした。

 

2輪目が咲いたので、今度こそ受粉までこぎつけるべく、さっそく分解してみました。

花の中にある王冠です。

セロペギア属は、花粉塊を花のどこかにある穴に入れる事で受粉する種が多いらしいので、穴を探してみました。

しかし、いくら探しても穴は見つかりませんでした。

 

今回は王冠も分解してみました。

王冠の中心部にめしべが隠れているのだろうと当たり付けましたが、まさかの何も無し。

花粉塊を入れる穴らしいものも見つからず。

一応、中心の白い部分がめしべの先端の可能性もあるので、花粉塊を一つくっつけておきました。

 

さて、めしべが見つからないとなると、考えられる可能性は3つです。

①めしべが巧妙に隠されている

②雌雄異花で、雌花が別にある

③雌雄異株で、雌株が別にある

 

③だとお手上げですが、②なら雌花が咲いている可能性があります。

あらためて株を確認して気付きました。

この小さな花です。

成長不良で大きくならなかった蕾だと思っていましたが、いつまでも枯れ落ちずに残っていたので不思議に思っていました。

これが雌花なのではないでしょうか。

 

よく観察してみると・・・

あ、これメシベかもしれませんね。

先端に花粉塊をくっつけておきました。

※(2024年2月追記)雌花らしき小さな花を解剖してみたところ、子房らしき器官が見つかりませんでした。どうやら雌花ではないっぽいです。

 

今回の観察から考えたセロペギア・シモネアエの受粉の仕組みです。

①甘い香りに誘われてショウジョウバエが花の中に迷い込む

 

②蜜を舐めようと花の中心部にある王冠のような器官に頭を突っ込む

 

③頭に花粉塊がくっつく

 

④花の内部には広いスペースが確保されており、エサ(蜜)もあるのでショウジョウバエは花の中で生き続ける事ができる

 

⑤3日ほどで花が落ち、花粉をつけたショウジョウバエが外に出る

 

⑥雌花に留まると花粉塊がメシベにくっつき、受粉が完了する

 

こんなところではないでしょうか。

結実すれば実証できるのですが、問題点が2つ。

・雌花らしきものは開花からかなりの時間が経っているので、受粉の適期を過ぎている可能性がある。

・自家受粉しない場合、今回の受粉方法が正しくても結実しない。

※(2024年2月追記)雌花らしき小さな花を解剖してみたところ、子房らしき器官が見つかりませんでした。どうやら雌花ではないっぽいです。

 

もう一株買って他家受粉させてみたいところなのですが、シモネアエ、お高いんですよね・・・。実生しなくても挿し木で増やせるし。