石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

いまさら聞けない・・・自家受粉って何?

最近はエケベリアを中心に多肉植物を自分で交配する方が増えているようで、「自家受粉」という言葉をよく耳にするようになりました。

私が育てているアボニア属パピラケアも自家受粉で種を作ってくれるので、このブログでも度々登場する言葉です。

この「自家受粉」という言葉、時々誤って使われているのを目にするので、自家受粉とは何ぞやという事を解説してみようと思います。

素人の解説なので、内容に間違いがあったらコメントで指摘していただけるとありがたいです。

 

まず、自家受粉とは、自宅で受粉させる事ではありません

字の響きから、結構誤解している人がいるみたいです。

「自家受粉」はれっきとした科学用語で、しっかりとした定義があります。

検索してみると花粉が同じ個体のめしべについて受粉することと説明されている事が多いです。

 

一般的な植物の場合は、この説明で十分だと思うのですが、多肉植物の場合は少し拡張して考える必要があります。

それというのも、多肉植物は葉挿しや挿し木で増やす事が多いので、同一遺伝子の個体が複数存在するからです。

「自家受粉」の意味するところは、同じ遺伝子同士で交配するという事です。

クローン株が大量生産される多肉植物においては、異なる株同士で受粉させても「自家受粉」となってしまうケースがあるという事です。

 

自家受粉の例をいくつか挙げてみます。

・花粉を同じ花のメシベに付ける

 

・同じ株の別の花同士で受粉

 

・葉挿しや挿し木で増やした株同士で受粉

 

自家受粉で出来た種子から育てた株同士で交配した場合は、他家受粉になります。

一見、別の遺伝子が混ざっていないので自家受粉のようにも思えますが、自家受粉でできた種子の遺伝子は全部異なる(天文学的確率で同じ遺伝子も在り得ますが)ので、他家受粉になります。

 

他家受粉させる為に株を2つ購入したとしても、その株は同じ株から葉挿しで増やしたものかもしれません。

その場合は、他家受粉のつもりでも、実は自家受粉だったという事になってしまいます。

葉挿しや挿し木が可能な多肉植物において、確実に他家受粉をさせたいなら、現地株を手に入れるか、種子から育てた株を交配させる必要があります。