石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

乙女心は難しい

多肉植物の普及種代表と言っても過言ではないセダムの乙女心。

葉はゼリービーンのような形で、冬になるとの先端がピンク色に色付きます。

とても可愛らしい多肉植物です。

 

乙女心は初心者向け?

乙女心は「丈夫で育てやすく、初心者でも簡単に育てられる」と紹介される事が多いです。

しかし、個人的にはそこそこ難易度の高い多肉植物だと思っています。

乙女心は丈夫な品種が多いセダムの中では、かなり弱い方です。

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腐敗菌に弱く、根腐れしやすく、徒長しやすいです。

間違った育て方をするとすぐに調子を落としてしまいます。

逆に言えば、育て方に問題がある事に気付きやすく、多肉植物の育て方を学ぶにはもってこいの品種とも言えます。

そういう意味では、初心者向きの多肉植物だと思います。

私も最初に買った多肉植物が乙女心で、数々の失敗に気付かせてもらい、育て方を学ばせてもらいました。

今育てている乙女心が私の師匠だったりします。

 

乙女心の葉挿しは難しい?

多肉植物の普及種というと葉挿しで増やすのが一般的ですが、乙女心の葉挿しは成功率が低く、芽が出る前に腐ってしまう事が多いです。

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これも乙女心が弱い事を示す事例だと思います。

丈夫な多肉なら、葉をもいでも半年くらいは萎れません。

 

葉挿しはできないわけではありません。

コツさえわかれば上手くいきます。

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一番大事なのは、紅葉する前の若い葉を使う事です。

紅葉した葉は強いストレスがかかって寿命が縮んでいるので、葉挿ししようとしても、芽が出る前に萎れてしまう事が多いです。

紅葉した後に緑色に戻った葉を使った時は成功率が10%(1/10)だったのに対し、紅葉する前の葉を使った時の成功率は93%(14/15)でした。

 

乙女心の紅葉

乙女心は、しっかり管理しないと綺麗に紅葉してくれないので、多肉植物を紅葉させるノウハウも学ぶ事ができます。

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室内で甘やかすと冬でもこんな感じになります。

甘やかすというのは、常に10℃以上の環境で、水多め、肥料多め、直射日光を避けた明るい場所に置く事を指しています。

この姿も健康的で嫌いではないのですが、多肉界では徒長気味とされ、嫌がられる傾向にあります。

子吹きも旺盛になり、挿し木してもすぐ根付くので、早く増やしたいなら甘やかすのもアリです。

お店で見かける乙女心にこんな姿の物が多いのも、増やす事を第一とした育成をしている為だと思います。

 

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肥料と水を控えて良く日に当て、寒さに晒すと真っ赤に紅葉します。

写真の株はよく紅葉していますが、ストレスをかけすぎて下の葉が白っぽくなり、可愛くなくなっております。

 

冒頭にも載せた写真ですが、このくらいに紅葉させるのが可愛らしくて良いかなと思います。

 

乙女心を上手に育てる事ができれば、大抵の多肉植物は育てる事ができると思います。

もし、多肉植物に興味があるけれど育てられる自信が無いという方がいたら、まずは乙女心を一鉢購入して、育て方を学んでみるのも良いのではないでしょうか。