この春、園芸店で出会えたパピラケア。
多肉植物にはおかしな造形をしたのが多いので、大抵の事では驚きませんが、まさかウロコのあるヤツがいるとは思いませんでした。
非常識なのは姿だけではありません。
ある日、パピラケアの鉢を見て違和感を感じました。
正面を向いていたはずのパピラケアが左を向いていたのです。
根付いて成長を始めたのかなと喜んだのですが、3時間後に見てみると、また正面を向いていたのです。
・・・動くの?
植物は、基本的に光の方向へ曲がって育ちます。
これは、光の当たらない部分の成長が促進され、曲がっていく仕組みです。
成長に伴う動きなので、一目でわかるほど曲がるには数日を要します。
成長の早い植物(ひまわり等)なら、数時間で大きく動く事ができますが、成長の遅い多肉植物ではあり得ない話です。
実際、どの程度動くものなのか、12時間の動きを1時間おきに固定カメラで撮ってみました。
半日で動きすぎでしょ・・・。さては草じゃないな・・・こいつ。
手前の出たばかりの脇芽ですら動いています。
この短い体でこれだけ動くのですから、成長したらさらにダイナミックに動くと思われます。
毎日にょろにょろしているのに大きな成長は見られないので、やはり成長に伴う屈曲ではないようです。
パピラケアはウロコに覆われているので硬そうにみえますが、触ってみるとふよふよと曲がります。
芯の無いスポンジのような感じです。
なんの根拠もない無い憶測ですが、局所的な水分量の調整で柔軟な体を曲げているのではないかと考えています。
スポンジが水を含むと膨らむ原理です。
ところで、このパピラケアさん、光の方向に曲がろうとしているようなのですが、なぜ曲がろうとするのでしょうか。
普通の植物は、太陽の方を向けば、葉に光がたくさん当たるようになります。
ところが、パピラケアは葉が無いので、太陽の方を向くと光の当たる面積が減るのです。
太陽の方を向いても、良いこと無いような気がするのですが・・・
観察すればするほど、謎の深まる植物です。
おかしなヤツですが、こうして見ると可愛いでしょう?