種から多肉植物を育てると、ものすごく成長の遅い小さな個体が混じる事があります。
発芽が遅れ、先に発芽した植物の影になってしまったり、肥料分を取られてしまったりして、育成不良になった為だと思っていました。
育成不良ならば、独立させて環境を良くすれば、大きく育ってくれるはずです。
ところが、小さな苗はいくら環境を良くしても大きくならない事が多いです。
よく考えてみれば、日当たりが悪い事による育成不良ならば、徒長して伸びるはずですし、液肥も与えているので肥料が不足する事もないはずです。
極端に小さな苗は、遺伝的、もしくは種子を形成する過程で、何らかの不具合が生じて、大きく育たないのかもしれません。
考え方によっては、小さいままの苗は特別な個性を持っていると捉える事もできます。
不良苗と言ってしまえばそれまでですが、大人気の斑入り種だって、一種の不良苗なわけですし。
そんな小さな苗の中で、今注目しているのが春に蒔いたフィロボルス・エーンリエットの2株です。
この2つの株ですね。
これは9月の写真です。
とにかく過保護に育てた事もあって、手前の株は結構大きくなりました。
大きな株に追いつきそうな勢いです。
葉の太り方が、いかに甘やかされて育ったかを物語っています。
根元からは、子株が4つも出ています。
もう1株、より小さかった方の株の、現在の姿がこちらです。
全っ然、大きくなっておりません。
大きさは、たったの5mmです。
これで実生10ヵ月目。
大きく育った株と同じ鉢で、同じ管理をしていたんですけどね・・・。
接写してみると、葉は短いですが、ふっくらしていて新しい葉も出ています。
透明の粒々(ブラッダー細胞)もしっかり付いています。
一丁前に、エーンリエットの特徴の赤色も出ています。
5mmの株を維持し続けていくというのは難しいとは思いますが、このサイズのまま葉数が増えてくれたら相当可愛らしくなると思うので、大事に育てていこうと思います。