セロペギア・シモネアエ・ノヴァが開花しました。
ねじれていた先端のヒモのような部分がほどけ、花の上部に開口部ができると開花となるようです。
花の下部が大きく膨らんでいるのが面白いです。
どことなくヨシゴイっぽいです。
ヨシゴイというのは、葦原で見られる鳥で・・・
こんなヤツです。
関東だと印旛沼とかにたくさんいます。
目が可愛いんですよ、コイツ。
先端のヒモには紫色の毛が生えていて、ちょっと気持ち悪いです。
匂いはほぼ無臭でした。
微かに甘いような香りがあり、ガガイモにありがちな腐臭はまったく感じられません。
せっかく花が咲いたのですから、受粉させて種子を採りたいところです。
調べてみると、ガガイモ科は自家受粉しないらしいとの事でガッカリです。
しかし、試すだけならタダですし、ダメ元で自家受粉させてみようと思います。
ハサミで花に切れ込みを入れてみました。
すると、下部の膨らんだ部分にショウジョウバエが2匹迷い込んでいました。
微かな甘い香りはショウジョウバエ用だったんですね。
デカいハエは腐臭を好むので、甘い匂いにはあまり寄ってきません。
膨らんだ部分は、誘い込んだ虫を生きたまま閉じ込める虫かごのようになっているわけですね。
このショウジョウバエ、よく見ると頭に花粉カプセルをくっつけていました。
こうやって閉じ込めたハエに受粉の媒介をしてもらうわけですね。
花の付け根には小さな王冠のような器官が鎮座しておりました。
底部が濡れていて、蜜が溜まっているようでした。
そして、その上に花粉カプセルがセットされているようです。
この形状だと、蜜を舐めるには上から頭を突っ込むしかなく、そうすると花粉カプセルが頭にくっつく仕組みなわけですね。
よくできています。
花粉カプセルのある場所は分かりました。
さて、めしべはどこでしょうか。
それらしい器官が見当たりません。
セロペギアの受粉について調べてみますと、虫を閉じ込めて受粉させ、受粉完了後に花が枯れて虫が脱出できるという記述が散見されました。
なるほど、一見つじつまは合っているように思えますが、大きな問題点が一つ。
それだと自家受粉しか出来なくないですかね・・・。
そもそも、受粉が完了した後に虫を生きたまま逃がす理由がありません。
閉じ込められた虫に花粉が付けているのは実際に確認できました。
自家受粉してしまう前にこの虫を外に出さなければならないはずです。
可能性として考えられるのは、花が枯れて虫が外に出た後にめしべが露出して、受粉が可能になるのではないかという事です。
※追記 セロペギアの受粉についてもっとよく調べてみたところ、花のどこかに柱頭室に繋がる穴があり、そこに花粉塊を入れる事で受粉が完了するらしいです。シモネアエの花にそれらしい穴が無いか探してみましたが、見つける事ができませんでした。
と、いうわけで、後日めしべが露出する可能性にかけて花粉カプセルを保存しておくことにしました。
花粉カプセルは尖らせた楊枝にくっつける事で回収できました。
楊枝ごと紙に包んで、小分け袋に入れて保管しておきます。
めしべが露出してくれる事を期待して待ってみます。
↓その後の経過