石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

鉢植えに白絹病が発生した時の対処方法

ハオルチアに白絹病が発生してしまいました。

過去にも3回発生した事があり、全て完治できているので、対処法についてまとめておこうと思います。

 

白絹病は土の中に発生する病気で、虫の卵のような粒々がとにかく気持ち悪い病気です。

原因はカビ菌で、菌糸の状態だと目立たないのですが、環境が悪くなると菌核という薄黄色の粒々を形成するので目につく事となります。

白絹病について調べてみると、根絶は不可能、発病した植物は捨てるしか無い等の記述をちらほら見かけます。

しかし、鉢植えならば根絶は可能ですので、そこまで慌てる必要はありません。

 

白絹病が根絶不可能と言われるのは、この病気が植物だけではなく土にも感染するからです。

広範囲に広がった後に菌核を作るので、気付いた時には手が付けられない状況になっている事が多いのです。

地植えや畑で発生してしまうと、植物を処分しただけでは根絶には至らず、大規模な土の入れ替えが必要となります。

菌核の付いている土を処分しても、見えないところに菌糸が残ってる可能性が高く、再発生してしまう事が多いのです。

これが根絶不可能と言われる所以です。

 

鉢植えの場合は、感染場所が鉢の中に限られている為、鉢の中の土を全部捨て、鉢と植物を消毒すれば根絶する事ができます。

早期発見ができれば、土から植物へ感染する前に対処する事ができます。

 

対処法

①買ってきた土が原因の場合は、土を処分する。

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買ってきた土が既に菌に感染している可能性があります。

同時に複数の鉢に発病している場合は、元の土を疑った方がいいです。

赤玉土軽石等の無機性の土が感染している事は少ないです。

有機性の培養土や腐葉土が怪しいです。

汚染された土はエノキのような強い臭いがします。

汚染が疑われる場合は、土を袋ごと処分してしまった方がいいです。

 

②鉢の中の土を全部捨てる。

株を抜いて、鉢の土を全部捨てます。

菌核の無い部分にも菌糸が伸びている可能性があるので、綺麗に見える土を再利用しようなどとは考えずに全部捨てましょう。

例えばこの鉢の土は、上部が赤玉土、下部がココピートの二層構造になっています。

白絹病が発生しているのは、中層の赤玉土の部分だけに見えますが、感染しているのはここだけではありません。

実際には下部のココピート層全体が感染していて、強いエノキ臭がしておりました。

臭いから感染部分を判断して色付けすると・・・

こんな感じでした。

中層だけに発生しているように見えるのは、ココピート層で繁殖した菌が乾燥している赤玉土層で環境が悪くなり、菌核を作ったからなんですね。

白絹病は菌核が無い部分に本体が潜んでいる事が多いので、土は全部捨てる必要があるんです。

 

③根をよく洗う。

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根についた土を丁寧に水洗いして全部落とします。

 

④根を消毒する。

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根を消毒して菌を殺します。

白絹病菌はカビ菌の一種なので、ベンレート等の殺菌剤を使います。

根が丈夫な植物(ハオルチア等)の場合は、薄めた次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイター等)もよく効きます。

ただし、次亜塩素酸ナトリウムは強力すぎて生体にダメージが残る可能性があるので、濃度に注意し、使用後はよく水洗いします。

 

⑤鉢を消毒する。

鉢をよく水洗いして、薬剤で消毒します。

次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイター等)を薄めたものに浸けるのがお勧めです。

 

⑥清潔な土に植え直す。

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根を乾かした後、清潔な土を使って植え直します。