サボテンや多肉植物を種から育てていると、発芽したばかりの小さな苗が枯れてしまう事があります。
原因の1つがコバエの幼虫による食害です。
我が家では、今まで実生苗が枯れてしまった原因の実に7割がキノコバエというコバエによるものでした。
原因が判明して以来、キノコバエを根絶すべく試行錯誤を重ねてきましたが、ネット等で調べた対策のほとんどは効果がありませんでした。
実体験に基づくキノコバエ対策について、書き残しておこうと思います。
キノコバエとは
キノコバエにはたくさんの種類がいます。
実生(植物を種から育てる事)で問題となるのはクロバネキノコバエという体長2mmほどの小さな黒いハエです。
その小ささ故に、捕殺が難しく、網戸もすり抜けてしまいます。
成虫は直接悪さはしませんが、幼虫が植物の根を食べてしまいます。
幼虫は土に潜っているので、発見、駆除ともに困難を極めます。
キノコバエの被害
キノコバエの幼虫は小さく、アゴの力も弱いので、一般的な植物には実害が少ないです。
不快なだけの害虫として扱われる事も多いです。
しかし、発芽したばかりの小さな実生苗においては被害甚大で、苗が全滅してしまう事も珍しくありません。
根を食うので、根が無くなって苗が倒れてしまう事が多いです。
サボテンの幼苗は、中身が食われて空洞になってしまう事もあります。
こんな具合にサボテンの幼苗が抜け殻のようになっていたら、確実にキノコバエの幼虫が潜んでいます。
キノコバエの性質
キノコバエは、湿った土に卵を産み付けます。
サボテンや多肉植物の実生では、鉢を常に湿らせておくのが一般的なので、キノコバエにとっては格好の産卵場所となります。
キノコバエの被害は、1つの鉢に集中する事が多いです。
これは、生まれたメスが同じ鉢に産卵する事が多いからです。
環境の良い場所で生まれたメスは、飛び立たずに植物の周りをウロウロ歩き回ってオスが飛んでくるのを待ちます。
オスと交尾したメスは、土に潜って卵を産みます。
この為、たくさん鉢があっても、1つの鉢に被害が集中する事が多いのです。
飛ばずに歩き回る性質を利用した捕獲器も販売されています。
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キノコバエが2匹以上歩き回っている鉢を見つけたら、その鉢の中には幼虫がうじゃうじゃいる可能性が高いです。
早急に駆除しましょう。
メスは飛べないわけではなく、環境が悪くなったり、脅かしたりすると普通に飛びます。
メスは体が重い為に飛び方が遅いので、見慣れてくると飛び方でオスメスの判断ができるようになります。
飛んでるメスを見つけたら確実に捕殺しましょう。
効果の無かった対策
キノコバエの退治の方法について検索すると色々出てきますが、実際にやってみるとまったく効果のないものが多いです。
以下、効果が無かった対策です。
× キノコバエの幼虫は表土にしかいないので、表土を入れ替える
表土だけにしかいないというのは誤りで、深いところにもいます。
鉢の底まで潜っているヤツもいます。
表土だけを入れ替えても意味がありません。
× 鉢の上部を無機物の土(赤玉土など)に変える
上部を無機物の土にしても構わず卵を産んでいきます。
上の写真の鉢は、上半分が赤玉土ですが、全く効果が無い事がわかります。
それどころか、すべて無機物だけの土にも卵を産みます。
写真は砂だけで実生していた鉢を掘り起こしたところです。
砂だけの鉢の中にもキノコバエの幼虫がいました。
× 水没させる
20分ほど水没させてみましたが、土の中は意外と空気が残っていて溺死させる事はできませんでした。
写真は水没させた鉢の中の様子です。
水中でもウネウネ元気に動いていました。
キノコバエの幼虫は水分を好むので、むしろ逆効果だと思います。
× オルトランを溶かした水を投入する
キノコバエの幼虫を、オルトランDXを溶かした水に直接つけてみましたが、死にませんでした。
有効な対策
○ 用土を全部替える
土を全部替えてしまえば、キノコバエの幼虫も一掃できます。
ただし、再度卵を産み付けられてしまい、いたちごっこになる可能性も高いです。
○ 不織布で成虫の侵入を防ぐ
被害が出る前に、物理的に侵入を防ぐ方法です。
効果は抜群ですが、鉢数が多いと管理が面倒くさいです。
○ 実績のある薬剤を使う
正直、現実的には薬剤に頼るほか無いと思っています。
口コミ等でクロバネキノコバエに効果があると言われている薬剤を使用します。
検索するといくつかの薬剤が見つかると思います。
最近では、適用害虫にクロバネキノコバエが載っている薬剤も増えてきました。
私はダントツ水溶液を使っています。
少々お高いですが、効果は抜群です。
※このページは随時更新していく予定です。