多肉植物を育てている人なら誰しも、肥料について一度は悩んだ事があるかと思います。
素人の私は、植物なのだから肥料はあげた方がいいと思ってしまうのですが、話はそう簡単ではないようです。
多肉植物育成の指南書には、肥料は一切必要ないと書かれているものもあります。
肥料はやらない方がいいのでしょうか。
肥料の必要性を物理的に考えてみます。
肥料には色々な有効元素が含まれていますが、主要元素の一つである窒素(N)だけに注目してみます。
植物は細胞分裂して葉を増やしていきます。
増えた葉には一定量の窒素が含まれていますが、窒素は元素なので分裂で増やす事ができません。
つまり、増える葉の分だけ、窒素を吸収しなければならないわけです。
窒素なんて空気中にいくらでもあると思うかもしれませんが、空気中の窒素分子はド安定な状態なので、利用する事ができません。
必要な窒素は、窒素化合物(肥料)を根から吸収するか、古い葉を枯らせて転用するしかありません。
そのことだけを単純に考えてみると、エケベリアやハオルチア等の葉をあまり増やさない多肉植物には、肥料はそれほど必要ないと言えます。
反対に、グリーンネックレスやセダムなど、葉をどんどん増やしていく多肉植物には、それなりの量の肥料は必要だと言えます。
そして、葉を増やさない時期には肥料はいらないということになります。
そんなわけで、私は、葉を増やす量に応じて肥料の量を調整するようにしています。
葉を増やす多肉には、育成期に合わせて液肥を、増やさない多肉は少量の元肥のみで育てています。
このやり方が正しいのかはわかりませんが、これが案外うまくいっています。
肥料多めと言っても、多すぎる肥料は毒になるので、規定量を守る事が大切です。
特に希釈するタイプの液肥は、目分量で薄めると大抵濃くなりますので、薄めを心がけるようにしましょう。