グリーンネックレスの水やりについては、多めがいいとか、少なめがいいとか、色々と言われています。
私は、育て始めた当初は7日~10日に1回くらいの間隔で与えていたのですが、水くれアピール(シワが寄る、ツヤが無くなる、ピンクになる等)が激しいので、間隔を短くしました。
今では3日~5日に1回というかなり短いサイクルで水を与えています。
底穴が無い鉢で育てている都合で、1度に与える水の量は少なめです。
短い間隔で、少量の水を与える。
これは多肉植物育成のセオリーからいえば、タブーと言われる行為です。
しかし、実際のところ、根腐れもせず、元気に育っています。
なぜセオリー無視の育て方をしているのに枯れないのでしょうか。
セオリーの根拠としてよく語られるのは「砂漠地帯では長期間雨が降らず、降る時はスコールのような大雨が降るので、期間をおいて大量の水を与える。」というものです。
たしかに、エケベリアなどの自生地である中米の乾燥地帯ではそうかもしれません。
しかし、南アフリカ原産種にその常識は当てはまるのでしょうか。
南アフリカの気候について調べてみました。
グリーンネックレスの自生地はナミビア南部との事ですが、ピンポイントで場所がわかりませんでした。
参考までに、ナミビアの南部にあるリューデリッツ、および、銀月の自生地でもある北ケープ州リフタスフェルトの降水量を調べてみました。
なんと年間降水量100mm以下。これはスコールどころか年間を通してほとんど雨が降らない事を意味しています。
こんな環境で、植物達はどのように水を得ているのでしょうか。
その答えは、南アフリカ南西部特有の濃霧にあるようです。
この地域では、海流の影響で、定期的に水分をたっぷり含んだ重い濃霧に包まれるそうです。
ドキュメンタリー番組で、ナミブ砂漠を覆う霧によって水を得る昆虫や爬虫類の映像を見たことがないでしょうか。
まさに、あの霧が多肉植物を覆うわけです。
この濃霧のおかげで生態系は多様性に富み、この地域は乾燥地帯にありながら「生物多様性ホットスポット」に選出されているそうです。
多肉植物達は、霧による結露によって水分を得ていると思われます。
霧の発生は年間180日にも及ぶそうです。
水やりセオリーの根拠であるスコール云々とはだいぶ話が違っています。
むしろ、タブーとされている「短いサイクルで少量の水を与える」方が自生地の環境に合っているのではないでしょうか。
南アフリカ原産の多肉植物であるハオルチアやセネシオは、他の多肉植物より水が好きと言われています。
根を乾かしすぎるのも良くないとも言われています。
濃霧により、定期的に水分を得られる環境を考えると、納得できる話です。
グリーンネックレスの水やりに話を戻します。
自生地の特殊な気候を考えると、3日に1回水やりをするというのも、あながち間違ってはいないように思います。
ただし、自生地での濃霧は夜間・早朝だけの話で、昼間はカラッカラに乾燥します。
水やりを多めにするにしても、土をいつまでも湿らせておくのは厳禁です。
グリーンネックレスへの水やりは、土をしっかり乾燥させて根腐れを防ぎつつ、できるだけ頻繁に水をあげるのが良いのではないでしょうか。
※今回の記事は、ネット上の情報を集めて推測したものです。
実際、1回の霧によってどれほどの水量が確保できるかのデータが見つからず、多肉植物がどの程度霧に依存しているかはわかりませんでした。
いつか自生地に行って、自生環境を確認してみたいものです。