石と多肉植物

多肉植物の育成・実生、天然石とのアレンジを紹介しています。

300円自作育苗器(発芽器)を使った実生

300円で作った育苗器を使い、実際に発芽するか試してみました。

 

↓育苗器を自作した記事はこちら

 

検証に参加してもらった種子はこちら。

アボニア属 パピラケア (自宅採取):50粒

ブルビネ属 メセンブリアントイデス (国内採取):16粒

コノフィツム属 マウガニーssp.ラツム (海外輸入):7粒

フォーカリア属 四海波 (海外輸入):20粒

以下、サボテン

アリオカルプス属 ブラボアナス (国内採取):10粒

ツルビニカルプス属 スーパーバラ丸 (国内採取):10粒

マミラリア属 陽炎 (国内採取):10粒

エリオシケ属 テネブリカ (海外輸入):10粒

 

種蒔きの方法は、土と種子を消毒し、タッパーに蒔いて密閉する方法です。

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この方法の利点は、管理が楽でカビが発生しない事です。

防カビ剤も必要ありません。

 

種子にカビが生えるのは、消毒が足りなかったからと考えがちですが、カビの胞子は適度な消毒で死滅します。

消毒してもカビが生えるのは、種を蒔いた後に空気中の胞子が付着した事が原因だと思われます。

想像以上に空気中はカビの胞子だらけです。

ですから、最初に消毒して密閉してしまえば、カビが生える可能性は低くなります。

缶詰や瓶詰がカビないのと同じ理屈です。

 

密閉すると種子が酸欠してしまうと思われるかもしれません。

発芽の絶対条件は、水・温度・酸素だと小学校で習いました。

しかし、種子が必要とする酸素の量は微量なので、密閉したタッパー内の酸素で十分事足ります。

土を消毒する事で、タッパー内の微生物も死滅するので、酸素が消費される事もありません。

 

種を蒔いたタッパーは、夜間は育苗器内で保管しました。

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このタッパーだと6個入ります。

晴れた日の日中は、育苗器から出して明るい窓際に置いておきました。

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タッパーのフタが半透明なので、適度に遮光してくれています。

雨天・曇天で気温が低い時は、育苗器内に置いて、アクリル板でフタをしました。

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外気温12℃でも、育苗器内は26℃を保っています。

 

最初に発芽したのは、信頼と実績のパピラケアです。

撒種から2日目です。

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次に発芽したのが、予想外のブラボアナス。

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アリオカルプス属は発芽まで時間がかかると思っていたので、驚きました。

撒種から、わずか3日です。

 

四海波も良好でした。

芽は双葉タイプで、くっついて円形になる姿が面白いです。

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最初に発芽した日数と、1週間目・2週間目・3週間目の発芽数を一覧にしました。

種名 最初の発芽 1週間目 2週間目 3週間目
パピラケア 2日目 49/50 50/50 50/50
メセブリ 4日目 1/16 4/16 16/16
マウガニー 3日目 2/7 2/7 2/7
四海波 3日目 12/20 17/20 17/20
ブラボアナス 3日目 7/10 9/10 9/10
バラ丸 3日目 8/10 8/10 8/10
陽炎 9日目 0/10 4/10 5/10
テネブリカ 5日目 3/10 8/10 9/10

 

パピさん、さすがです。年を越してもド安定です。

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ブラボアナス、スーパーバラ丸も高い発芽率でした。

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左上がバラ丸、右上がブラボアナスです。

この2つは実生のベテランの方から購入した種子です。

やはり、種子は信頼できる方から購入するのがベストですね。

 

発芽しなかった陽炎は、同じタッパー内の他種の発芽率が良いことから、種子の問題ではないかと思っています。

陽炎は9日目に1つ発芽しました。疑ってごめんなさい。

 

結果を見ると、一部発芽しない種子があるものの、概ね高い発芽率となりました。

自作の育苗器は、十分に実用できるレベルだと思います。

来年からは寒くなっても実生を楽しめそうです。