小さな対象物を拡大して大きく撮る撮影方法を、マクロ撮影といいます。
本来は一眼レフカメラに高価なマクロレンズを装着して撮影するのですが、スマホやコンパクトデジカメでも手軽にマクロ撮影する方法があります。
方法は単純で、ルーペにカメラを近づけて撮るというものです。
ルーペは、口径の大きめなメタルホルダールーペがお勧めです。
8倍か10倍の物が使いやすいです。
1000円~2000円程度で販売されています。
そんな安物で綺麗に撮れるの?と思われるかもしれません。
百聞は一見に如かず、ということで、実際に多肉植物を撮ってみます。
モデルは小さなセダム。薄雪万年草です。
コンパクトデジカメと10倍ルーペを組み合わせて、マクロ撮影してみます。
1000円程度のレンズ(ルーペ)で撮ったにしては上出来だと思いませんか?
カメラの光学ズームやデータのトリミングを利用すると、さらに大きく撮ることができます。
うっすら紅葉している部分です。
細胞単位でまだら状に赤くなっている事までわかります。
撮影する際の注意点は、カメラのレンズにルーペをぶつけないことです。
レンズはカメラの命ですから、傷付けないよう細心の注意をしましょう。
では、セッティングの仕方をいくつか紹介します。
方法1 手で持ちながら撮影する
一番お手軽な方法です。
ただし、ピント合わせや、シャッターを押すのが大変です。
手ブレを抑えるのも難しいので、あまりお勧めしません。
方法2 発泡スチロールや輪ゴムなどで固定して撮影する
セッティングが面倒くさいです。
うまくセッティングさえできれば、手が自由に使えるので楽に撮影する事ができます。
方法3 アタッチメントを自作する
ワンタッチで装着できるアタッチメントを自作すれば、手軽にマクロ撮影を楽しむことができます。
スマホの場合はハードケースを利用すれば簡単に作れるかと思います。
ちなみに上の写真のアタッチメントは、プリンの空き容器で作りました。
いずれの場合も、撮影する時は連写モードにして、1度に5枚以上撮影する事をお勧めします。
マクロ撮影では、わずかな動きでも大きくブレるので、枚数撮ってブレていない写真を1枚でも残すのがコツです。
最後に、この”なんちゃってマクロ撮影”で撮影した写真をいくつか紹介したいと思います。
軟葉系ハオルチアです。
つるつるに見える透明な窓は、細かい粒状になっているのがわかります。
倍率を最大にすると、細胞の一つ一つが見えるレベルまで拡大できます。
ただし、手持ちだとブレを抑えるのが至難の業です。
この写真もブレてますね。
小さなセダムの薄雪万年草です。
大きく撮ると、乙女心みたいですね。
うっすら紅葉している葉は、マクロで撮ると面白いです。
多肉植物の水を弾く能力は驚くべきものがあります。
水やり後の水滴はマクロ撮影の絶好の被写体になります。
鉱物もマクロ撮影すると楽しいです。
こちらは前回も紹介した玉川のメノウ。
誰も拾わないような小さな黄鉄鉱も、マクロ撮影で美しい鉱物に生まれ変わります。
石にあいた小さな穴には、小さな水晶が育っていることがあります。
恐竜の絶滅が約6600万年前ですから、いかに古い生物かがわかると思います。
そんな大昔に生きていた小さな小さな生物が、今、自分の目の前にいるというのは不思議な感覚です。